第8章 謀反
ふたりの間に流れる夜の空気は、けだるく穏やかで、ぬるま湯に浸かっているみたいだ。
否応なしに気が抜けていき、今にも睡魔に負けそうだ。
(やっぱり相当、疲れてる……。この人から逃げる気力ももう起きない。きっと、長い一日だったから……)
「……そろそろ、眠いです」
「らしいな。……おいで」
(え……)
当然のごとく抱き寄せられ、視界が揺らいだ。
固い膝を枕に、コロンと畳に転がされる。
「ええっと……光秀さん……?」
「寝床を用意している間に、お前のまぶたがくっつきそうだ。……このまま眠れ」