第8章 謀反
「彼は私や舞ちゃんに、安土の情報を渡せとかそういうことは一切、言いません。……むしろ、私たちの身を案じて、忠告してくれるんです。」
「安心しろ。疑っているわけじゃない。馬鹿正直で可愛いおつむの持ち主のお前が、ホラを吹けるとは思えないならな」
「信じてもらわないと困ります……。話せと迫ったのは光秀さんなんですから」
「それで……、その男が言う、ワームホールとやらが出現すれば、お前は現代に帰れるのだな」
「……そう…です。帰れます……」
なぜだろう……。
このことになると、私の中で何かが揺れるのは……。
歯切れ悪く答えると、どっと疲れが押し寄せてくる感覚に見舞われた。