第7章 虚心坦懐
「彼は、死んでしまったからーーーー」
「………。」
「光秀さんが言うように、私は死に急いでいたかもしれません。信長様を助けたとき、燃える本能寺でも死んでもいいと思ってました。」
(秀人のいない世界なら、死んでもいいと思ってた。)
「あの時、戦に同行するのを申し出たのも、そういう気持ちがあったから、です。彼が居なくなってから…、消えたい、彼の元へ逝きたい……。ずっと……、思ってたから。」
全てのものが、秀人との思い出に繋がってしまう世界が辛かった。
「ひとりで生きていくには、彼との思い出が多すぎたんです。」