第7章 虚心坦懐
…………
次の日は出掛けるには最高の天気になった。
けれど、残念ながら遠出を楽しむ余裕は私にはなかった。
「み、光秀さん、待ってください……!」
「ついて来られないなら置いていくぞ」
(こんな人里離れたところに置き去りにされたら迷子どころか、遭難と同じだ……! )
この人ならやりかねない!!
馬に乗り、先へ先へと疾駆する光秀さんを、手綱を握り必死に追いかける。
(忘れてたけど、この人、スパルタなんだった……!)
揶揄う時は甘い顔してるくせに、稽古のこととなると一変、その厳しさに、この人は二重人格なんじゃないかとすら思えてくる。