第6章 疑心暗鬼
お針子なんて、沢山いるけど、もしかしたら接触してくる可能性だって捨てきれない。
お城の中にいれば大丈夫だろうけど、万が一ってこともあり得る。
(話すなら……、秀吉さん?……いや、安土の情報網を司ってるのは光秀さんだ。ここは、光秀さんに話した方がいい。)
困惑している舞ちゃんを連れて部屋を出ると、私たちは光秀さんの元へ向かった。
途中、ちょうど家臣の人と話している光秀さんを見つけて捕まえる。
「おや。二人揃って俺に何のようだ?茜、寂しくなって頭を撫でに貰いに来たのか?」
にやにや笑うと、私の反応を見て楽しむ光秀さん。