第6章 俺の友達が多分恋をしている件について
「何なんだろうなぁ…ちゃんって。」
結局彼女はいったい何なんだろか。
照れ屋の玄弥が普通に話せて
いつの間にか野生児伊之助の特別になり
炭治郎を異様に不安で心配な気持ちにさせる。
「……すっごく可愛いんだけどなぁ。」
俺の目からみても本当に可愛らしい彼女は
先生達とちょっとした会話をする時も
とても明るくとっつきやすそうに見える。
けれど、俺達みたいに
何かを感じ取って話しかけられ無かったり
妬みが怖いから近寄らないようにしたり
高嶺の花だから静かに慕っていたいとか
皆が話しかけないから自分もやめよう
だとかそんな風に思われていつも一人ぼっち。
本当に玄弥が居なければ彼女はずーっと
微笑みながら、皆に見つめられ続けて
生ぬるい色んな視線を浴びるだけなんだろう。
だから正直俺は色々気になるところはあるが
何度か話しかけてみようとしたことはある。
単純に可愛いし、嘘つきに混ざって微かに聞こえる
本当に優しい音が朝彼女が聞いていた”月光”に
よく似ていて1人じゃないよなんて
そんなキザな事を言ってみようかなんて気分に
させてくれるから何も無ければ話してみたい。
あんな可愛い女の子の支えになれるなんて
結構男として誇らしい事だと思うんだ。
けどどうしてもビビリな俺にはそれが出来ない。