第11章 お前にキスがしたくなった件について。
「…………ほら、結局男の人はソレでしょ?
私は宣言通りくっついてるだけですからね?」
眉を下げて笑いながらいうは
勝ったはずなのに嬉しそうには見えなかった。
けれど物言いはやたら気の強い”怪物女”らしくて
その差にうっかり自傷気味な笑いが溢れた。
「…ははっ、何も言えねェ。その通りだ。」
俺は何回この女に負ければ良いのだろう。
酷く情けないが負けるのが自然な道理の様な
そんな気するらしてくるほど
今回もまた俺はコイツに負かされた。
「…けど、理由はどうあれこんな体制まで
誘ったんだから…私がいけないです………。」
けど、どうやら残念賞は貰えるらしい。
何度か目にした困った様に笑う顔を見ると
もう負けたんだ、プライド何て要らないかと
勝手に動く素直な身体に従って
俺はに覆いかぶさった。