第1章 俺の友達が少ない件について
□俺の友達が少ない件について
「 何だァ!?この登録数、本当に高校生かァ?」
片眉をあげる仕草がやたらと良く似合う
この男は”不死川実弥”俺の兄に当たる人物だ。
昨日携帯を変えたのだがLINEの引き継ぎに
失敗したらしい兄ちゃんはとりあえずほぼ1晩
粘ってみたのだろう寝不足で目が血走っていて
俺と良く似た悪人面に磨きがかかっている。
あんなに小さくて優しい母ちゃんから
何故俺らの様な顔が産まれたのか中々不思議だ。
「なぁ兄ちゃん、もういいだろ?
………早くスマホ返してくれよ。」
全てデータが消えてしまったので
俺のLINEのIDを見せろと
玄関先でスマホを取り上げて登録したのだが
チラッと目に入った
俺のLINEに登録してある友達の人数が
あまりにも少なすぎて驚いたのだろう
必要も無いのに未だまじまじと見つめている。
「玄弥ァ…。まあいいか。先いくぞォ。」
結局溜息をつきながら俺にスマホを渡して
とっとと家を出ようとしている。