第1章 俺の友達が少ない件について
「…学校では先生、最悪兄貴にしとけェ。」
「……え、これ。」
少し気まずそうに差し出されたのは
破かれていな綺麗な賞状だった。
とりあえず受け取ったは良いものの
正直まったく意味が分からなくて混乱した。
「クソ女に言っとけ。余計な世話やくなって。」
とても腹立たしそうに兄貴はそう呟くが
俺には何が何なのか全くもって分からない。
「…に…あ、兄貴。は知ってたのか?」
「しらね、けど”俺の意図”はバレた。
ありゃ、とんでもねェ雌狸だ…気をつけろよ。」
その言いぶりだとはここまで全部
お見通しで事をやり抜いたんだという様に
聞こえてしまい俺は遂に声の出し方を忘れた。
「雌狸って…。兄ちゃんの意図
俺にはまだ分かんねぇんだけど……。」
やっと呟けた頃には兄ちゃんはもう居なくて
俺は綺麗な自分の賞状との賞状を
手に持ったままさっきのは夢だったんじゃないか
と変な現実逃避をするしかなかった。