第8章 俺は色々と悩ましい件について。
□俺は色々と悩ましい件について
「(あの雌狸、全然尻尾ださねェんだよなァ。)」
”は人としても良い奴だよ。”
そう言った玄弥の顔は真剣で
真っ直ぐ向けられた強い意志をもった瞳に
”大きくなったな”何てとても嬉しくなったが
その言葉の内容は少し…いやとても問題がある。
「(……危ねェ気もするが。
は表面上本当に問題がねェ。
けど、それがまた気味が悪ィんだよなァ。)」
俺は”玄弥に近づくな”と頭を下げた
あの日から、大分色々と悩んでいる。
玄弥の真剣な気持ちもそうだ。
ビビリなアイツが俺に物応じせずに
必死に伝えてくる姿に兄として真剣に
受け止めてやりたいと思うが内容が内容だ。
それに自分のこの行動も”偏見”である事は
頭の隅の方ではよく分かっている。
だけどどうしても近づいて欲しくないから
何とかの”駄目な部分”を
見つけたくて探っているのだが。
決定打が何も無いため
毎度物凄くイライラしている。