第2章 ジビエのスパイシー政宗風ソーセージ 森の薫りを添えて
声を我慢することも、快楽に呑まれないように堪えることも、全部煩わしくなってもうどうでもよくなる。
私は歯を食いしばることをやめた。
「──はあっ!……はぁあっ、ぁあぁっ、はぁあっ……」
躊躇うことなく声を上げる私を、もう政宗にもからかう余裕はないらしく、持て余した自身を一心不乱に打ち付けるだけ。
私たちはお互いを貪るように求め合った。
目に眩しいほどの青葉もぼんやりと霞み…
清々しい若葉の香りに交じる生々しい匂い…
歌う小鳥の声はふたりの喘ぐ声がかき消した……
だから私たちは気づく由もなかった。
雨も降っていないのに、水雫が地面を叩く音…
足元にできた小さな水溜まり…
そして…
時折、周りの木の葉たちがさやさやと揺らめくのは…
風の仕業か…
それとも──
終。