第7章 婀娜な紅葉に移り香を
〇〇の長い髪を手櫛で掻き分け、毛束が滑らかに指の間をすり抜けていく感覚にさえ欲情していく。
剥き出しになった白い項に吸い寄せられるように顔を埋め、深く息を吸い込むと、肌身離さず持たせていた"えびこう"は、その肌にまで香りを移し、俺のものだと言わしめんばかりだった。
込み上げる想いのまま印をつけ、赤く色づいたそこから肌を啄んでは、ひとつ、ふたつ、みっつ、と熱い吐息を零しているそこへの軌道を辿っていく。
誘われるようにこちらを向いた震える唇に齧りついて、喘ぐ吐息すら呑み込むようなそれを繰り返し、その身体が頽(くずお)れる前にしっかりと抱き止める。
唇を離した先で、切なげに潤んだ瞳に見つめられれば、食べ頃の合図。
すっかり支度の整った馳走を、ふたり夢中で貪った──