• テキストサイズ

★イケメン戦国★明智光秀と、はぶ・あ・ぶれいく♪

第6章 想ひ想はれ常しへに、夏。


本日は無礼講。

老若男女、身分問わず皆、桔梗紋の浴衣を着てお祭りを楽しむ日。

日が傾き始めた頃、私もお揃いの浴衣を着せてもらい、賑わう町へと繰り出した。






福智山。

一度連れて行きたいと、光秀さんが言っていた場所。

けれど──

今日も、もれなく忙しい光秀さんは朝早く仕事に出かけたまま。



(祭りが始まるまでは帰るって言ってたけど…)



夜の帳が下り、お囃子が鳴り始めても、光秀さんの帰りはまだだった。

恋しいその姿を探し、辺りをきょろきょろ見回していると、よく知った顔を見つける。



「〇〇様!」



人好きのする笑顔で、お揃いの浴衣を着た九兵衛さんがこちらに向かってくる。



(そうだ。光秀さんのこと、何か報せが入っていないか聞いてみようかな…)



そう思いながら人混みを縫って近づいていくと、私の思惑を察したのか、九兵衛さんが先に口を開く。



「直にお戻りになられるでしょう」

「……あ…はい…」



九兵衛さんの開口一番の台詞に、思わず苦笑いが零れる。



(さすが光秀さんの家臣……私の考えなんてお見通しだった…)



「光秀様がお戻りになるまでお相手させていただきます。……私では力不足かもしれませんが」

「いえ!そんなことないです!」



光秀さんから、帰りが遅くなったときは私のお守(も)りをするように言いつけられていたらしい。









──九兵衛さんと目抜き通りを歩きながら、目に映る光景に笑みが浮かぶ。

露店に目を輝かせる子どもたち、男女が手を繋ぎ合って仲睦まじく往来をいく姿…

長閑で幸せな光景に、ここが戦国時代だということを一瞬忘れてしまいそうになる。



「〇〇様は福智山は初めてでしたね。いかがです?安土も良いところですが、ここも良いところでしょう?」

「はい。町の雰囲気も温かくて、初めて来たのに、とても居心地がいいです」

「それはよかった。〇〇様にそう言っていただければ、光秀様もお喜びになられるでしょう」



(光秀さんが、喜ぶ…?)



/ 126ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp