第2章 君といたい
鍛錬が終わって、私は炭治郎くんの元へ走っていった。
炭治郎くんの所に行っても、いるか分からないけど。
いつもいる鍛錬場に行ってみると、彼の姿があった。
『炭治郎くん!!』
ああ、しまった。
思ってたより大きな声が出た。
少し恥ずかしかったけど、彼に気づいて貰えた。
「おお!、どうしたんだ?」
炭治郎くんは私の方に近付いた。
『えっと!おにぎり、持ってきた....!さっき握ったばかりで....沢山あるから、その!!』
いざとなると、緊張してしまって普通に落ち着いて話せなくなってしまう。
けど、炭治郎くんは優しくて、何も言わずに待ってくれる。
「ありがとう!も一緒に食べよう」
私が言いたかったことを言ってくれた。
すると、大きな声が聞こえた。
「ああああ!!炭治郎!!お前なにちゃんとイチャついてんだよ!!!」
声がした方に振り向くと、鍛錬終わりの善逸くんがいた。
善逸くんが言った「イチャついて」に少し顔が熱くなった。
「俺はイチャついてなんかいないぞ。善逸もが持ってきてくれた握り飯食べるか?」
善逸くんに「ちゃんが握ったの?」と聞かれて、うん、と頷く。
「当ったり前じゃない!!食べるよ!全部俺が食べちゃうもんね!!」
そしたらいつの間にかいた伊之助くんが「俺様と戦え!花子!!」と戦いに誘ってきた。
前にも花子って言われた。
花子じゃないよって言ったら、「なんだとゴラァァ!!」と言われて怖かった。
「伊之助!ちゃんは花子って言う名前じゃないから!って言う素敵な名前だから!!」
善逸くんもいつも訂正してくれるけど、全く覚える気はなさそうな伊之助くん。
「結構大きいおにぎりだけど....未来の花嫁さんのこんなに美味しいおにぎりが食べれるなんて幸せだよ」
善逸くんはよく分からない話をするけど3人で、こうやって話したりするのは楽しい。
とても優しくて、大好き。
でも、炭治郎くんだけは2人とは違う。
炭治郎くんだけ2人より特別で、好き。
この気持ちを伝えるとはまだ考えてない。
鬼殺隊である以上、いつ死ぬか分からないから。
私は美味しそうに、食べているみんなを見ながら、そんなことを考えた。