第2章 君といたい
が伊黒の屋敷にいる頃。
冨岡は急ぎ気味に森の中を走っていた。
はあはあ、と肩で息をしていて額には汗をかいてる。
「(何処だ……)」
かれこれ1時間近く探している。
急いで森から抜け出して、そこから蝶屋敷へと向かった。
蝶屋敷なら、見つけ出す事が出来ると思ったからだ。
「………!」
向かっている途中炭治郎と伊之助がいるのに気付き、冨岡は二人の元へ向かった。
どちらかの二人なら知っているかもしれない。
ふう、と一つ息を吐いて心を落ち着かせた。
「あ、冨岡さん。どうしたんですか?」
炭治郎は目の前に止まった冨岡に話しかけた。
「四月朔日は……」
冨岡の口から出た言葉はの事だった。
「ですか?うーん、は多分まだ任務だと思いますけど……」
「……そうか」
「に何か用があったんですか?伝えときますよ」
「……いや、いい」
そう言って冨岡はその場を離れた。
炭治郎は去っていく冨岡の背中を見ながら「なんだったんだろう」と心の中で思うのと同時に冨岡の事が心配になった。
ぼう…として見ていると、隣の伊之助が「なんだアイツ」と呟いたのが聞こえた。