第2章 クロコ+カレシ
私はその姿を見て、私ではないと確証した。
よくよく考えてみても、好きな相手を前に、特徴なんかを落ち着いて考えれる訳がないじゃん。
普通、好きな人が目の前にいるだけでもドキドキしたりするもんじゃないの?
私はまだ恋をしたことがないからそっちの知識については皆無だった。
ずっと考えてくれていた黒子くんがようやく口を開く。
その瞳は何故か私を捉えていて、思わずドキリと心臓が跳ねた。
黒子くんってよく見たら男前…なんてバカなことを考えて見つめていると、不意に伸びてきた腕に私は気づけないでいた。
「…っ、?」
頭に突然の感触を感じ、身を強ばらせる。
何、と上を見るとそこには優しく微笑んだ黒子くんが私の頭を撫でていた。
「…く、黒子、くん?」
「…僕が好きな人は、僕よりも小さくて、元気で明るくて、…とても可愛い人ですよ」