第2章 クロコ+カレシ
きゅっ、と胸が高まるのがわかった。
……なんか、黒子くん今日すごいかっこよく見える。
私は黒子くんの顔を直視出来ずに、唇を結んでうつむいた。
ヤバイ。
今絶対顔紅い、よね…
なんとかばれないようにしないと、と私は思い、あまり後先考えずに思ったことをつい、口にしてしまった。
人でのない道路はまるでこの世には私達しかいないのではないかという錯覚を引き起こす。
もう私の家は、すぐそこの曲がり角を曲がれば見えてくるくらいのところまで来ていた。
「……なん、か…アレだね」
「何ですか?」
「…その、……黒子くんの彼女になるひとはそんなに想ってもらえて幸せだね…」
顔を真っ赤にして、
不自然にしないようにするので必死で。
私は彼が驚いたように目を見開いたのを見ずにいた。
________トン、
背中に何かが当たる感触があった。
それが人様の家の外壁だとわかったのは顔の真横に黒子くんの腕が置かれて私の行く手が阻まれてからだった。