第2章 クロコ+カレシ
「そ!いや、黒子くんって部活一筋って感じだからそういう方面ってどうなのかなぁって!」
明るく盛り上げようとした私は黒子くんを見ながらにんまりと笑った。
そんな私を見てからか黒子くんは控えめに微笑み、ゆっくりと口を開いた。
「……彼女はいませんが好きな人はいますよ」
予想していなかった答えに耳を疑う。
そしてこの占いに載っている答えと全く同じものが返ってきたのだから、私は少し、戸惑いを覚えた。
【いつもいっしょにいる男の子にさりげなく聞いてみよう!】
【いる、と答えられた人は残念!彼はあなたを友達としか思ってないみたい!】
【彼女はいないけど好きな人はいると答えられたあなた!それはあなたの可能性大!アタックするのが一番!】
長々と、踊るような字体で連なっているその文章はなんの根拠もなく、ただ読者を煽るだけのものに過ぎないと踏んでいた私はまさかの黒子くんの返答に驚く。
「…ち、ちなみにどんな子…?」
いやいや、そんなわけがない。
黒子くんが私を好き?
ないない、あるわけがない。
いつもいっしょにいるけどそんな感じ全くしないし!
心の中で何に対してか分からない言い訳を必死にする自分がとても空しく思えてしょうがなかった。
ちらりと黒子くんに目を向けると、黒子くんは何かを考えるように顎に手を当て、「そうですね…」と真剣に考えてくれていた。