第4章 キセ+カレシ
「おら、黄瀬。早く帰るぞ!」
「は、はいっス…」
先程の反応に少しがっくりと肩を落とすも、俺は用意が終わった鞄を持ち、体育館を後にした。
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ミーティングが終わり、制服に着替えて校門をくぐる。
近くの商店街の前の道を歩いていると、ガチャリと目の前の店のドアが開いて中から黒子っちが出てきた。
「…黄瀬くん………」
「…よっ、黒子っち」
「………少し、話さねっスか」
「……黒子っち、あのマネの子の名前、なんていうんスか……?」
「………うちのマネージャーですか?」
途中、通りかかった公園に俺達は足を踏み入れた。
目に入ったベンチに腰かける。
「………何ですか」
「…へっ?」
「…なんで名前が知りたいんですか」
「…え、そりゃぁ………」
いいかけて、言葉を詰まらす。
好きになったから、なんて、死んでも言えない。
俺はいつもより少し強い眼差しをした黒子っちにごくりと唾を飲み込んだ。
「………な、仲良くなりたいんスよ!ほ、ほらっ、あの赤い髪の、あ、火神っちとはしゃべったことあるから、あの子も一年っスよね!?だから、その、えと……」
「……………」
ま、まずい。
変な空気になっちゃった………
俺がたじろいでいると、黒子っちははぁとため息をついて俺を見上げた。