第3章 カガミ+カレシ
「火神っ、ちょっと手伝って欲しいんだけど!、っ」
「うおっ、おいおいお前、そんなにもてるのか?」
「だから、手伝えって言ってんでしょ!」
昼休みも終わりが近づいた頃、俺は少し喉が渇き、自動販売機の前でなにを買おうかと立ち尽くしていた。
すると、背後から聞き慣れた声が俺の鼓膜を刺激した。
そこには、自分の顔が見えないくらいの大きなダンボールを抱えていたリマがいた。
「ちょ、これなんだけど、半分持ってくれない?前、見えなくて…、」
ダンボールの中身が半分以上とび出していて、俺からはリマの表情は全く見えない。
しかし、困った顔してんだろな…笑
「か、火神!?早くっ!」
「おぅ、悪りぃ、…」
声をかけたのにも関わらず、微動だにしない俺に痺れをきかせたのか、リマは急かすように叫ぶ。
俺はその小さな手に収まっている大きなダンボールを片手で全部持ち上げる。