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【歌い手】貴方を愛したこと。【After the Rain】

第3章 §始まりは§



「.........ねえ、美織。」

『んー?なあに?まふくん。』



【あの日】から数日後。



私が居候させてもらっている我が彼氏様、まふくんの家で携帯をいじっていると、声をかけられた。


「別に...特に何もないけど......」

『けど?』


長らく続いているひきこもり生活のせいか、彼は言いたいことを素直に口に出そうとしない。

あまり私も察することは苦手だし、ちゃんと言ってもらわないと。


「......かまって欲しい、です......」


_____うちの彼氏がこんなにもかわいい。

さすが天使キャラで行っているだけある。


『ん~、かまってちょーだい??』

と、彼が歌い手としてお友達とコラボしていた時の楽曲名で聞く。

「............かまってちょーだい。」


ア¨ッ...

かわいい...好き......


『まふくん......そんな女の子顔負けのかわいさどこから出してくんの...???』

「知らないよ!!」

ふざけながら、黒光りするソファーに座った彼の膝の上に乗る。

付き合い始めた頃は体重が......っておっかなびっくりだったけれど、今では慣れたものだ。

こうでもしないと高身長の彼に届かないのが、悔しいところではあるけれど。


「ん......」


そっと唇と唇とを重ね、ついばむようなキスをする。

お互いを確かめるように、角度を変えて何度も、何度も。


だんだんとキスが深くなり、彼の熱い舌が私の唇を割って私の歯列をなぞるようにうごめき出した時。













_____ピーンポーン......













『ハアッ......』


「マジか...このタイミングで来る...?」













「そらるさん。」

『へ??』
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