• テキストサイズ

【ワールドトリガー】犬飼澄晴 短編集

第13章 命残さむ


「はい、葉瑠。これ」

「なあに?んん?……このトリガー、私がアタッカーのときのセット構成じゃん」

雷蔵が渡してきたのは、戦闘員用トリガー。

「ありがとうございます!」

隣で犬飼くんがお礼を言っている。どういうこと?

「葉瑠、今日はもう仕事ないからあがって。それで、犬飼の訓練に付き合うこと」

ニヤニヤと笑った雷蔵は胡散臭い。

「えー?どういうこ「じゃあ、葉瑠さん借ります。行こう」」

犬飼くんに手を引かれて開発室を出る。向かう先は、二宮隊の隊室。

「急でびっくりしたと思うけど、訓練付き合ってよ。今日はうちの隊、みんな用事があって俺以外来れないんだ。そしたら寺島さんが葉瑠さんと訓練しなよって言うからさ。こんなチャンス、なかなか無いし」

「……まあいいけど。私じゃ、相手にならないんじゃないかな」

「そんなことないよ」

そうか。上司の許可は下りているし、訓練相手も問題無いと言う。それならば、

「トリガーオン」

私自身、楽しみになってきた。犬飼くんの相手ができるなんて、思ってもみなかった。かつての癖で弧月を出す。鞘に手をかけると、しっくり馴染む感覚がした。

「うわー!アタッカー葉瑠さんだ!見てみたかったんだよねー」

犬飼くんは、目をキラキラさせてこちらを見ていた。





訓練室を仮想戦闘モードに設定。部屋の真ん中に私が立ち、その周りに人型の的。犬飼くんは、その全ての的を撃ち抜いていった。私は傷一つ無い。

「やっぱり、すごいね!」





(→)
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp