第5章 開花
桃色に光る須佐能乎が私で、青く光る須佐能乎がマダラ様だ。
千手柱間の木遁はマダラ様がやっと抑えられ、攻撃に転じる事が出来る。
それくらい厄介な相手というのは重々承知であるから、私はマダラ様が戦いやすいようにサポートを完ぺきにこなす。
しかしそうさせてはくれない男が一人千手にはいた。
柱間の弟でイズナ様にあの致命傷を与えた男、千手扉間だ。
とにかく早い扉間に私はなすすべなく何度も敗れている。
しかし何度もクナイを、刃を交えれば奴の戦術も行動も、誇り高き写輪眼で情報を見つけられる。
須佐能乎と自身の能力、瞳術を合わせた合技を繰り出す。
天照の黒炎を巡らせて須佐能乎を桃色から漆黒の黒に染め上げる。
黒炎の鎧だ。
天照はすべてを焼き尽くすまで消えない炎。
これで扉間を足止めしてから私はマダラ様のサポートへと向かう。
適材適所、柱間の動きを観察して先読みを行い、その先々にマダラ様の邪魔にならない程度の黒炎を放つ。
かすめる事が出来れば上々、一瞬の隙もマダラ様は見逃さずに柱間へ攻撃を向ける。
やはり。柱間はそう簡単には仕留められない。
まずは私の黒炎をどうにか止めようと考えたらしく、木遁の印を組み、私に手を向けた。
すぐに私の体には地上からメキメキと生えてきた木がまとわりついた。
逃げようとするほど強く締め付けられ、ジッとしていればチャクラを吸われ須佐能乎さえも行使が難しくなる。
術を私に向けていたお陰でマダラ様が攻撃できる隙が生まれた。
私を一目見てすまないと口を動かしたマダラ様は、やはりお優しい方で胸がなぜか熱くなった。
私は一度頷いた。
マダラ様は須佐能乎を発動させ瞬間で完成体を作り上げれば、術発動中の柱間目掛けて須佐能乎の刀を振りかざす。