第3章 竈門炭治郎
パンを飲み込んで、私がそう伝える。
「そうか!じゃあ店に出しても良さそうだな」
「うん!絶対売れるよ!」
私たちは2人で微笑み合った。
なんて優しい空間なんだろう…
「ただいまー!」
下から禰豆子ちゃんが大きな声で帰宅を知らせた。
「あっ、禰豆子帰ってきた。ちょっと行ってくる」
炭治郎はそう言って立ち上がると、足早と下に降りてしまった。
ー仲良いなあ
ちょっと妬けちゃうけど。なんて絶対に炭治郎には言えない。
ベッドの縁にもたれかかって、炭治郎が戻ってくるのを待っていると、指になにかが当たった。