第18章 宇髄天元➕煉獄杏寿郎 ②
ー放課後
私は資料室を目の前にして、ドアノブを掴めずにいた。
この期に及んで自分がしたことの破廉恥さに気付いたのだ。
今すぐに帰りたい、でも先生たちともう一度出来ることを悦んでいる私もいる。
もう先生たちはいるのだろうか、まだ誰もいないのだろうか…
心臓が口からぽろりと零れそうだ。
「よぉ」
低い呼び掛けの声と同時に肩に手が置かれた。
「ぎゃー!!」
緊張状態にあった私は大きな叫び声をあげてしまう。
背後から笑いを堪える声が聞こえ、後ろを振り返ると、お腹を抱えて笑っている宇髄先生がいた。
「ははっ…お前…ド派手に驚き過ぎだろ」
「だって宇髄先生が…!」
「へーいへい、悪かったな」
後ろから覆い被さるようにして宇髄先生はドアノブに手をかけた。
「じゃあ入んぞ、進路相談に来た変態さん」