第17章 【下弦の伍】累
「やだ!待って、恥ずかしいよ!」
累くんは私のお腹にまたがっていて、私が逃げられないようにしている。
「もう10年待ったんだよ、僕は」
「ひゃあ…」
手が胸に触れると、不思議と頭がふわふわしてきた。
でも私の上にいるのは子供の姿をした累くんで何だか少し背徳感のようなものを感じる。
「あの、累くん…子供の姿だとなんだか…」
「君と同じくらいの歳の子の大きさになったらいいんだね」
累くんの周りの空気が震え、白い髪の毛が逆だっている。
ちょっとずつ大きくなっているのは目に見えて分かり、お腹にのっかる重さが増えた。
「わ…美青年だね…」
どこか幼さを感じていた目付きは大人の色気を纏い、肩幅が広がって大人の人の体つきになっていた。