• テキストサイズ

ノゾキはダメです!!【短編集】【鬼滅の刃】

第17章 【下弦の伍】累


ーなんで今、こんなこと思い出して夢に見たんだろ…

あれから月日は経って、私は19歳になっていた。
少しだけ襖を開けてみると、夜空には不思議な白い少年にあった頃と同じ満月が浮かんでいる。

「なにをしているの、早く寝なさい」

後ろを振り返ると、怖い顔をした義母が私を睨みつけていた。

「申し訳ありません…」

「そんな夜更けまで起きているから憲明(のりあき)との間に子供が出来ないのよ」

強い力で襖は閉じられ、義母は自分の寝室へと向かっていっただろう。
私は身体を起こしたまま、もう一度月を見上げた。

ーこんな所…逃げてしまいたい

愛のない政略結婚をした。
愛がないというのは存外辛いもので、まるで自分が家政婦に成り下がったような気持ちになる。
/ 525ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp