第14章 【炎柱】煉獄杏寿郎
「きゃああ!」
暗い森。
昼間は青々とした緑は夜の暗さで深い緑になっている。
ーあそこね
私は大きく息を吸い込み、まっすぐに前を見る。
そこには牙をむき出しに木こりに襲いかかる鬼がいた。
「色の呼吸、参の型、幻彩」
虹色がかった刀を鬼の首に振り下ろすと、いとも簡単に鬼の首が地面に落ちる。
「大丈夫?」
私は腰が抜けて地面に座り込んだ木こりに手を差し伸べる。
しかし、木こりはまだ恐怖の表情を見せ、後ろの方を見ていた。
ーこの気配は!
咄嗟に後ろを振り向くと、後ろから別の鬼が両腕をあげて私に覆いかぶさろうとしている。
鞘に仕舞った刀を抜き、鬼に向かって刀を振ろうとするが、しゃがみこんだ体勢では力が入らない。
ー殺される!