第10章 我妻善逸 ②
「んっ…!?」
我妻くんに唇を重ねられる。
手の温度とは裏腹に暖かい唇が何度も角度を変えて深く貪ってくる。
無理やりに口をこじ開けられて、舌が入ってきた。
「んぶっ!」
カプセルのような何かが我妻くんの舌から私の舌の上に移動させられて、思わずごくりと嚥下する。
それを確認した我妻くんは目を細めて笑い、唇を離した。
「ちゃあんと飲めてえらいねぇ」
よしよしと私の頭を撫でてくる我妻くんの手を振り払おうと腕をあげた瞬間、視界が揺らいで、心臓が大きく揺れた。
「っ?!や、あ…な、にこれぇ…」
体温が上がってきて、火照りが身体を覆い尽くされて、下腹部が疼き出してくる。
息も絶え絶えに私は机に手をついて、胸元を抑えた。