第8章 「The hole」宇髄天元
「はい…」
宇髄先生の腕から解放されて、私は宇髄先生に手を引かれながら美術室へと導かれた。
「ここ座れ」
奥の美術準備室に通されると、私は大きなソファに座るように促された。
宇髄先生が座った横に座り、私は大きく息を吸う。
「私…父親から虐待を受けてるんです」
そこから私は今までにあったことを全て話した。
初めてを父に奪われて、何度も何度も穢されたこと。
叩かれて、殴られて、蹴られてたくさんのアザに傷が出来て、消えない傷だってあること。
「…ずっと、くるしくて…」
私はまた涙が溢れてきた。
宇髄先生は私の肩に腕を回し、優しく引き寄せると頭を撫でてくれた。
「話してくれてありがとうな、お前は十分頑張ってる」