第5章 体育教師 冨岡義勇
宇髄先生は体を起こして、イスごと私の方に向ける。
「いえあの…冨岡先生、どこにいらっしゃるか知りません?」
「冨岡ぁ?ん〜…知らねぇなぁ…煉獄は?」
「うむ!!俺も知らん!!すまない!!」
宇髄先生は乱雑に頭をかく動作をする。
どうやら本当に心当たりはなさそうだった。
「俺に聞くなよォ、知らねェからな」
不死川先生は採点し終わったのか、テストの束をそろえてマグカップを持ち、コーヒーメーカーの元へと歩いた。
「あいつのことだし、着替えてるんじゃないか?」
「あ〜…」
ー冨岡先生、定時上がりっぽそうだもんな、、
「更衣室で待ち伏せしてやれば?」