貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第7章 二人の距離
朝餉を食べ終わると、稽古の準備をして家康さんが待つ城門へ急いで向う。
「着いてきて」
「………」
弓の稽古を行う家康さんの御殿まで、大人しく後ろをついて行く。無言で歩く後ろ姿は、とても話しかける雰囲気ではない。
途中、恋人同士らしい若者とすれ違った。
女の子が可愛いらしい着物を着て、繋いだ手に頰を赤らめて嬉しそうに歩いてる。
(この時代の人も手とか繋ぐんだ。)
どの時代でもデートは変わらないんだな
この道もデートだったら、どんなに楽しいだろうか。
そんなことを思いながら、すたすたと歩いて行く家康さんの後を追った。