貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第18章 貴方に出会うそのために
「準備が整って確定してから、あんたに言うつもりだったんだ。それでここ数日ばたばたしてた。なのに……なんで俺より先に言っちゃうんだよ」
(そ、そうだったんだ……)
張り詰めていた気持ちが、するりと解ける。
「よ、良かった…。てっきり…私、……」
私の身分は、形式的とはいえ武田の姫であって、徳川とは元々、敵対関係だ。
家康さんの元へ簡単には行けるものはないことは、歴史やしきたりに疎い私でも何となく分かっていた。
(だから……てっきり置いて行かれるのかと思った)
「あんたは一応、武田の姫であり信長様預りの姫でしょ。あの人たちの許可なしに勝手に連れだせない。だから今朝、信長様に話をつけてきた」
(信長様に……?)