貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第17章 その肌に触れる
(えっ、なんでため息?)
「あんたは、三成並みに鈍感だね。どうして俺が、あんたを連れだしたか分かる?」
「んー……なんででしょう?」
「だから……っ」
眉をひそめて、家康さんが私の手首をぎゅっと掴んだ。
そのまま、廊下を足早に歩き出す。
「俺があんたを連れ出す理由なんて、ひとつしかないでしょ」
(それって……)
私達が向かっている先は、私の部屋だ。
(ふたりきりに、なりたいって……言ってくれてる?)
「あの、家康さん……っ」
「何」
「私も! 私も同じです」
「は?」
「私も、同じこと考えてました。家康さんが連れ出してくれて嬉しいから、にやにや、してるんですよ」
「…………。……あーもう、ほんと、無理」
(え…?)