貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第17章 その肌に触れる
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(お腹いっぱいだ……)
家康さんの快気祝いの宴が終わったのは、真夜中過ぎだった。
私は飲み続ける皆と別れ、家康さんに連れられ広間を抜け出した。
「あんた、飲みすぎ」
「そうですか……?飲んだことないから……」
初めてお酒を飲まされた私は、自分がどれくらい酔っているのかもよく分からない。
(このふわふわした感じが酔ってるってことなのかな?家康さん、怒ってる?心配してる?どっちでもいっかぁ……。家康さんと、ふたりになれたし)
心がふわふわ浮きたって、笑みがこぼれる。
「何にやにやしてんの。やっぱり、酔ってるだろ」
「酔ってるのかなぁ?確かににやにやが止まらないんですけど……。家康さんが隣にいてくれるからかな?」
家康さんの顔を覗き込んで、うふふと笑いかけると「……はぁ」と、ため息をつかれた。