貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第16章 離れない、離さない
そうしてーーーーー
乃々さんと信玄様に今回のお礼と謝罪を済ませると、私は家康さんと共に躑躅ヶ崎を後にした。
躑躅ヶ崎を出てから数日、私の目の前には聳え立つ安土城。
半月ほどしか離れていないのに、酷く懐かしく感じる。
家康さんが乃々さんを躑躅ヶ崎へ連れ帰ったのと入れ替わりで、私は安土へ戻ってきた。
お城の前には、見慣れた面々の姿。
私は、思わず馬から飛び降りると、みんながいる方へ駆け寄った。
「ただいま、戻りました」
「おう、烈。随分、長い里帰りだったな。」
「烈様、お帰りなさい。お元気そうで良かったです。」
「行ったり来たりで疲れたろ。今日はゆっくり休むといい」
政宗、三成くん、秀吉さん、みんなが笑顔で出迎えてくれたことが嬉しい。
「信長様が、今日はお前のために宴を開くってよ。お前の好きなもん作ってやるからな。」
「信長様がっ?」
政宗が笑いながら、私の頭をくしゃりと撫でる。
「あぁ。信長様もきっとお前のこと、心配してたんだろ。」
「そっか……」
(我が儘言って、躑躅ヶ崎に帰してもらって、また都合よく戻って来られたのも…信長様が許してくれたおかげだなんだよね……
会ったら、ちゃんとお礼しないと)