貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第16章 離れない、離さない
(えっ……?)
「……っん。」
見上げた私に降りてくる影。
目を瞑る隙もなく、私の唇に家康さんの唇が重ねられた。
伏せられた長い睫毛が私の瞳に映る。
口づけが一瞬だったのかどうかも分からない。
呆然とする私から、ゆっくりと家康さんの唇が離されて……
家康さんが自分の額を私の額に押し付ける。
「安土に戻ったら……覚悟しなよ。あんたに、伝える。俺の気持ち丸ごと全部。烈が嫌がっても、もう、絶対、抑えない。」
剥き出しにされた家康さんの心に初めて触れた私は、もう自身の昂る鼓動を止められなかったーーーー。