貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第15章 好きだから
自分が言いたかった言葉を先に言われ、私は頰に添えられた家康さんの手を握り締めた。
怪我の熱でうなされ辛いはずなのに、私なんかのことを気遣ってくれる。
その優しさが何も出来ずにいる私の心を余計締め付けた。
「……ちが…っ……。ごめ…んなさい。私の方こそ…あんな言い方して、ごめんなさい…!乃々さんに……やきもち、妬いてましたっ……。」
私の言葉に、家康さんの虚な瞳が少しだけ見開かれた
(優しい…手………)
「……守って……くれて、ありがとうございます。」