貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第15章 好きだから
「……泣いてたの?」
「……!」
看病してる間、泣き通しだった私。
きっと、すぐに気づかれてしまうほど、ひどい顔をしていたのだろう。
思わず、家康さんの潤んだ瞳を見つめると……
力なく伸ばされた、傷だらけの手が私の頰の伸びてきて、そっと触れた。
その手は、身体に籠もった熱のせいかとても熱い。
反射的に頰に触れたその手を両手で包み込んだ。
「……こ…わい……思い…させて……ごめ…ん…」
「……え?」
(……な…んで…?なんで…家康さんが…謝るの……?)