貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第15章 好きだから
(こんなことになるなら……あんな態度取らなきゃ良かった……せめて……謝りたいよ……)
涙を堪え切れずに布団の端をぎゅっと掴み、頭を垂れたその時–––
「ん……」
「家康さん!?」
長いまつ毛が震えて、薄っすらと開いた翠色の瞳が私を見つめ返した。
「烈……?」
(気が……つい…た……っ)
「俺は……どれくらい、眠ってた……?」
「丸一日です……。皆、家康さんが目を覚ますのを待ってました」
「……そう」
気がついたとはいえ、荒い呼吸の間で話す家康さん。
その目は未だ下がらない熱のせいで、虚で潤んでいる。
その苦しそうな姿が私の不安に拍車をかける。