貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第15章 好きだから
頼み込んで付き添い役につかせてもらったものの、呼吸さえ安定しないままだ。
こんな不安の中の頭に浮かぶのは、500年後の時代だったらーーーという思いばかり。
そして医者の卵だった乃々さんだったら、もっと手厚く看病できるのではないか……という思い。
信長様と光秀さん、三成くんは、城で家康さんの回復の知らせを待っている。
政宗と秀吉さんにも、伝令が送られていると聞いた。
家康さんの家臣達も、眠れずに朝を迎えているはずだ。
「家康さん、皆、心配してます。どうか……目を開けてください」
呟いてみても、荒い呼吸が聞こえるだけで返事はない。