貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第15章 好きだから
(熱が全然、下がらない……)
家康さんの額に置いた布を、私はそっと取り上げた。
冷えた水に布をくぐらせ、固くしぼり、取り替える。
(こんなに苦しそうなのに、何もやれることがないなんて……っ)
–––家康さんの救出劇から丸一日が経ち、また夜が来た。
家康さんは、安土に戻ってすぐに手当てを受けた。
自室へ運ばれ寝かされているけれど、いまだ意識が戻らない。
三成くんが呼びだしたお医者様からは、かなり危険な状態だと聞かされていた。