貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第14章 救出作戦
(?!)
『か……た、な……』
焦点が合わなかったはずの瞳には怒りの焔が灯り、微かに唇が動く
(刀って、言ってる……?)
はっとして、私は袴の中に仕込んだ脇差しを裾から取り出すと、敵に見えないように家康さんに手渡した。
「敵の陣営で逢瀬を楽しむなど、随分と酔狂な趣向だな。----しかし、そこまでにしてもらおうか?」
頭目が私に背後から近づき、肩に手を掛けようとした、
瞬間ーーーーーーー
「烈に触るなっ!!!」
ザッ!!!!
「グワッ!!!」
私を素早く、自分の背中に回した家康さんが脇差しで頭目の腕を素早く斬りつけた。
「っ…!? 家康、お前、何を…」
「随分と痛めつけてくれたね……。悪いけど……あんたたちのこと、許さないから……」
「そんな也で何を戯言を言うか。こうなったら、姫ごと始末してくれるわっ!!!」
怒りに駆られたように家康さんと私をにらみ据え、男が刀を振り上げる。
(……っ)
全身の血が凍り、反射的に目をつむった次の瞬間–––
(……!)
耳に痛い金属音が聞こえ、まぶたを開く。
脇差しで凶刃を弾き返し、頭目の前に立ちはだかる家康さん。