第14章 救出作戦

｢くそ……っ｣

瞳をぎらつかせ、男が間合いを取って数歩退く。


「烈のことは諦めろ。この女は死んでも渡さないーーー。」

｢偉そうな口を……っ｣


するとーーー

突然、戸が蹴破られ、味方が一斉に怒声を上げる。
怒涛の勢いで織田軍が中へ突入すると、追い詰められた頭目が声を上げた！



｢く……っ、渡してなるか、その前に家康を殺せ！｣

肩をわななかせた敵が刀を振り上げ突っ込んできた。
叫び声が聞こえたのと同時に、ドサッと敵のひとりが床に倒れる。

｢–––誰を、殺すって？｣

目を血走らせた家康さんが、脇差しを手に、頭目を冷たい瞳で見据える。