貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第14章 救出作戦
「…家康さんっ……」
私の呼びかけに、瞼がぴくりと動き、薄らと目が開く。
「家康さんっ……助けに来ました……」
家康さんは朦朧としているらしく、目の焦点が合っていない。
それでも、かすかに唇が動いた。
「……れ………つ……」
力なく伸ばされた家康さんの手が、私の頬に触れる。
(……っ…!!)
冷たくなった家康さんの手に自分の手を添えると、私の目からは涙が溢れた。
頬を伝う涙が家康さんの手を濡らすと……
私の頬に添えられた手に力が入った。