貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第14章 救出作戦
「ーーーーー!!!」
小屋の中で私が目にしたのはーーー………
手首を縛られ、足を縛られ–––無残な姿で、床に転がされていた家康さんの姿だった。
(っ…………)
顔が腫れていて、ひどく殴られたのだとすぐに分かる。。
泥と血で着物が汚れていて、ぐったりと倒れたまま、微動だにしない。
(いえやす、さん……)
最悪の事態が頭をよぎって、全身の血が凍っていく。
けれど–––
「っ……」
(……! 今、身動きした……生きてる–––)
喉に熱いものがせり上がって来て、目頭が熱くなる。
急いで駆け寄り、すぐ横に膝をつくと震える声で家康さんに呼びかけた。