貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第13章 独りよがり
「烈様……」
「敵の本来の目的は私だったはず。私が引き換えとなれば、相手だって油断するはずです。」
「囮とばれたら命はないぞ。」
光秀さんの言葉にびくり、と肩が上がり、膝の上で握りしめた拳に汗が滲む。
「家康が今でも無事という保証もない。そのまま、今川の人質になりうる事もあるぞ」
光秀さんが続ける言葉に、恐怖で震え出しそうな自分をを奮い立たせ、私は信長様に視線を返した。
「行かせて下さい。」
(私が、家康さんを守れる唯一の方法……)
唇を噛んで、答えを待つと–––