貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第13章 独りよがり
(この方は、ただ非情な人なわけじゃないんだ……家臣想いの人だから…だから、多くの人に慕い付いて行くんだ。)
「すぐに手勢を集めます」
「ああ」
立ち上がる信長様と光秀さんを見て、はっとする。
反射的に、私は大きな声で叫んでいた。
「待って! 私も行かせてください…っ」
「烈…?」
「私を家康様と引き換えにして下さい!!」
「何を仰っているんですか、烈様」
「冗談を言っているつもりなら、時と場所を選ぶことだな」
自分でも滅茶苦茶なことを言ってるのはわかっていた。
けれど……捕われた家康さんの事を思うと、私は居てもたってもいられなかった。
「わ、私は…っ……本気です!!」
光秀さんと三成くんの反対を押し切るように、私は強い意志で信長様に懇願する
信長様は私の覚悟を見極めているのか、黙って私を見据えていた。