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貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜

第12章 私の知らない時間




落ち着かない鼓動が速さを増して、頭の中で『これ以上、聞くな』と鳴り響く。




「ーー乃々が信玄に拐われたって分かった時のあいつ、珍しく怒りを露わにしてなぁ。自分が乃々を一人にしたせいだって、そりゃあ後悔してよ。あれは……」


耳を塞ぎたい衝動に駆られるけれど……
容赦なく続けられる政宗の言葉に、息が苦しくてなって胸が軋み出す。



「ーーーーー乃々に、情があったんだろうな」


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