貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第12章 私の知らない時間
「……だって……」
(心配……)
「家康。その遠回しな物言い、そろそろ直せ」
私が弁解しようとした時、歩み寄って来た政宗が私と家康さんの間から顔を出す。
「……何の話ですか、政宗さん」
「『烈は心配するな』って、お前はそう言いたいんだろ?」
「っ……」
(え……?)
「そうだぞ、烈。お前が心配することじゃない」
「烈様は織田にとっても大事な姫君です。私たちがお守りしますから」
「秀吉さん、三成くん……」
広間から出て来たみんなが、次々にそばへと歩み寄ってくる。
「ふたりの言う通りだ。そもそも、この程度の問題は、これまでに幾度もあった」
「そうなんですか……?」
光秀さんがにやにや笑いながら、私の頭を軽く撫でる。